【獣医師が執筆】犬のアンチノールと副作用(デメリット)について

東大宮にある駅前通り動物病院では、日々犬のサプリメントについて相談を受けることがあります。そんなサプリメントの中でも「アンチノールプラス®(旧アンチノール)」は慢性的な関節炎、皮膚炎、認知症等の症状でよく使用しています。

このサプリメント自体は1度は使う価値があるのではないかと思うくらい効果があると思います。そんなアンチノールプラス®(旧アンチノール)ですが、副作用やデメリットがないか心配ですよね?

そこで今回は起こりうる副作用・デメリットについて解説していきたいと思います。

アンチノール自体は「全身の健康維持をサポート」を目的としている脂肪酸サプリメントです。詳しい効果は関連記事を参考にしてくださいね↑↑

目次

アンチノールのデメリットはある?

獣医師としてアンチノールをおすすめする際にいくつかデメリットもお伝えするようにしています。

アンチノールは飲ませづらい?

私自身が自分の犬に与えるときはドライフードに混ぜてあげていました。うちの子は少し神経質なところがあるのですが、アンチノールは特に問題なく食べてくれています。

しかし、お薬をあげるのが難しい子も中にはいます。アンチノールはカプセルタイプであり、錠剤よりも少し大きいです。そのため、フードに混ぜて食べない子は、ピルポケットや好きなものにくるんで与えるのもひとつです。

その他の与え方として、爪楊枝等でカプセルに穴を開けて中身の液体をウェットフード等に混ぜて与えることもできます。

サプリメントは毎日ストレスなく与えることができるといいと思いますので、ぜひご参考にしてください。

アンチノールは効果がない?

私個人の印象としては、アンチノールは効果があると思います。アンチノールはサプリメントではありますが、飲み始めて1週間以内には効果が出ると実感しています。

もちろん、アンチノールを使用する症状にもよりますが、私が認知症に対してアンチノールを使用する際には、「2週間1日2回与えてみて効果がなかったら別のものを試しましょう」とお話しています。

そのため、動物病院ですすめられたら、2週間は試してみて下さいね!

どんな病気もそうですが、病気に対するベースの治療はなによりも重要ですので、そこは注意してくださいね!

アンチノールに副作用はある?

アンチノール自体の副作用自体はあまり経験したことはありませんが、それなりの効果があるサプリメントですので、副作用が出てもおかしくありません。

アンチノールの飲みはじめに下痢をする?

これまでに2,3頭でアンチノールを始めたあとに少し便が緩くなったという子が実際にいました。ただ、全員が一過性の軟便であり、一般状態には影響ありませんでした。

そのため、もともとお腹が強くない子にアンチノールを飲ませる際には、整腸剤と一緒に内服するのも一つかもしれません。

アンチノールを飲んでいて下痢がひどくてやめたという患者さんには今のところ出会ったことはありません。その他にも、アンチノールで吐いたという犬も今のところいません。

しかし、理論上は下痢・嘔吐などの消化器症状は出る可能性がありますので、一応頭の片隅に置いておいてくださいね!

アンチノールは肝臓が悪くなる?

これは神話的なお話かもしれませんが、インターネットで検索すると「アンチノール 肝臓悪くなる」とよく出てきます。この内容については以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひご参考下さい。

実際のところですが、アンチノールで肝酵素が上がる可能性はあっても、肝機能不全になることは極めて少ないと思って大丈夫です。

しかし、もともと肝酵素が高い子や、肝機能低下している患者さんで関節炎や、皮膚炎、認知症でアンチノールを試してみたい場合には必ずかかりつけの獣医師に相談したうえで、ご使用下さいね!

まとめ

・アンチノールのデメリットとして、飲ませづらいことがあります。フードに混ぜても食べない子には、ピルポケットでくるむ、チーズ等でくるむ、爪楊枝で中身を出してウェットフードに混ぜて与えるなどの方法をお試し下さい!

・アンチノールはサプリメントなので効果が出るまでに時間がかかります。最低でも2週間は継続してみて下さいね!

アンチノールの飲みはじめに下痢をする子がいますが、一過性のことが多いです!

・獣医学的に考察すると、アンチノールで肝臓が悪くなる可能性は考えにくい

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コメント

コメント一覧 (8件)

  • アンチノールプラスを与えて嘔吐と下痢を起こし血便まで出てしまいました。少し休んで最初は数滴から始めようと思います。元気はあり食欲もありますが血便まで出ると心配です。うちの子はそんな状態です。
    シーズー 雌 11歳です。

    • 貴重なコメントありがとうございます。
      アンチノールに含まれる成分等が合わなくて胃腸炎様の症状が出てしまった可能性はあると思います。
      犬の場合、人と異なり大腸炎は起こりやすい印象はあります。多くの場合、整腸剤等の対症療法で改善してくれると思います。
      もし心配であれば、はじめのうちは整腸剤等と一緒にアンチノールを与えてみるのはひとつかもしれません。
      よろしくお願い致します。

  • すみません、先生にご相談があります。

    柴犬(1歳オス)がパテラと診断され、行きつけの動物病院からアンチノールプラスを勧められました。
    現在3ヶ月続けています。

    いまのところパテラに効果が出ている実感はありませんが、目に見えて変わったところはやたら毛艶が良くなって体を掻かなくなったかなぁとは思います。

    ただ、まだ若いのにこのまま長期で飲ませ続けて内臓に負担は出ないかだけが心配でなりません。

    あと副作用という程ではありませんが、ウチの柴犬はアンチノールプラスを摂取すると便秘ぎみになり、出た便も固くコロコロになるように感じます。

    もしアンチノールプラスがパテラに効果があるのならこのまま続けていきたいのですが、将来犬の内臓に負担がかかったり、体質に合っていないのなら無理はさせたくありません。

    御助言を頂けますと幸いです。
    よろしくお願いいたします。

    • 貴重なコメントありがとうございます。
      既にご説明を受けていると思いますが、膝蓋骨脱臼は、膝関節機構の問題により、膝蓋骨が脱臼を起こす病態ですので、アンチノールで改善するわけではありません。しかし、膝蓋骨が脱臼することで起こる炎症を鎮める効果はありますので、アンチノールを膝蓋骨脱臼の患者さんにお出しすることは多いと思います。
      肝心の副作用についてですが、副作用が少ないのがサプリメントの特徴でもあります。そのため、一般的に考えるとそれほど心配する必要性は少ないです。しかし、負担になる可能性もあるため、そこに関しては定期的な健康診断等で血液検査で肝臓や、腎臓、中性脂肪、コレステロール値などの測定を推奨します。
      膝蓋骨脱臼に関しては、症状の有無、グレードにもよりますし、アンチノールが唯一無二のものでもありません。サプリメント等はなんとなく効果が実感できる、それほど悩まずに健康的に継続することができるのがメリットのひとつだと思います。
      そのような点を踏まえて今一度、質問者様が思っていることをかかりつけの先生と相談されてみるのもひとつだと思います。

      どうぞよろしくお願い致します。

  • 初めまして、コメント失礼いたします。
    吉野先生の記事で勉強させていただいています。
    私はトイプードルを飼っております。
    2年前に嘔吐が続き膵炎と診断され、病院でおすすめされた消化ケアの療養食を食べて症状は落ち着いております。
    5歳になったこともあり、そろそろ老化のケアを考えようとアンチノールプラスを知りました。
    こちらの記事でアンチノールが肝臓に悪影響を及ぼす可能性は低いとありますが、膵炎になったことがある犬(なっている犬)がアンチノールを飲んでも大丈夫でしょうか。
    宜しくお願いいたします。

    • コメントありがとうございます。
      ご質問への回答ですが、もし仮に私自身が慢性膵炎と診断をした子に同じような質問をされたとすると目的をもった服用であれば、念のため注意しながら服用してくださいとお伝えすると思います。目的をもった服用というのは、発毛促進や関節炎、認知症の初期症状などです。リスクとメリットを考えたうえで、メリットが大きい場合には推奨します。
      それ以外の目的でサプリ等を考えているのであれば、アンチノール以外にも老化予防、ケアのサプリメントはありますので、そちらを推奨します。

      膵炎も急性と慢性があり、現時点で明らかな症状がなく、また内服もしていない状況であれば、異常がでる可能性は低いとは思いますが、アンチノールを内服後に下痢などの消化器症状が出てしまう子がいるのも事実ですので、最終判断としては、かかりつけの先生に相談をしてみて下さいませ。

  • 13歳のフレンチブルドックで糖尿病です。朝晩2回インスリン注射をしていますが問題ないでしょうか?

    • コメントありがとうございます。
      ご質問への回答ですが、どのような意図をもってアンチノールを内服するかが重要です。意図をもった服用というのは、発毛促進や関節炎、認知症の初期症状などです。リスクとメリットを考えたうえで、メリットが大きい場合には推奨します。アンチノールはサプリメントに分類されますが、効果としては薬と同程度認められることもありますので、最終的な判断はかかりつけの先生との相談で決めていただければ幸いです。

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