目の下が腫れたら要注意!?犬の根尖膿瘍について

動物病院で働いていると、年に数回「目の下が腫れています」という患者さんに出会います。ほとんどの「目の下が腫れている」患者さんは、皮膚のしこり等ではなく、歯周病が原因で目の下が腫れます。

犬の目の下には、臼歯が存在していますが、この臼歯の歯周病により、歯の周囲が腐るまたは歯の根っこが感染することで目の下に膿がたまります。

膿がたまることで、目の下が腫れてしまうのです。中には、皮膚の一部が破裂してしまって、膿が出てきてしまう子もいます。

というわけで、今回は目の下が腫れてしまった犬の治療経過についてお話したいと思います。

目次

ある日突然目の下が腫れる

これまで、初診で10症例くらい「目の下が腫れている」犬をみてきました。朝起きたら」、「気付いたら腫れていた子がほとんどでした。

なので、比較的短時間で膿がたまり、目の下が腫れてくることが多いようです。中には、「腫れてさらに液体が出てきた」という子もいました。

左目の下が腫れており、膿が少量出ている

治療法は?

この目の下が腫れるタイプの歯周病は、犬の場合、抜歯がベストだと思います。

抜歯をしない場合は、一時的に抗生物質の投与を行うこともありますが、感染源を取り除かない限り再発するため、根治的な治療法ではありません。

そのため当院では、抜歯を行うことを推奨しています。

歯の根っこの感染症の場合、歯の中の治療、「歯内治療」を実施することで抜歯を免れることも可能ですが、「目の下が腫れる」犬のほとんどで、中等度から重度の歯周病になっているため、歯を残せないことの方が多いです。

そのため、より根治的な治療法として、抜歯をすることの方が圧倒的に多いと思います。

STEP
歯石除去前(臼歯あたりに歯石沈着あり)
歯石がまんべんなく付着しています
STEP
抜歯後(歯科用レントゲンやカテーテル等で確認後抜歯)
目の下の腫れている部分からカテーテルの先が出てきている
STEP
歯肉の縫合(抜歯後に孔が大きく空いている場合には縫合します)
歯肉を綺麗にそろえて縫合しているところ

この子の場合、犬歯より後ろの臼歯は歯周病が重度であったため、すべて抜歯をしました。

抜歯後の経過はどんな感じ?

犬の歯周病治療で10本以上抜歯することは珍しくありません。臓器の機能等に異常がなければ、基本的には日帰り手術になりますが、術後2,3日は術後の痛み等で元気が落ちることがほとんどです。

当院では、歯周病治療の際に疼痛緩和のため、「局所麻酔」及び「全身的な鎮痛剤」の使用をしていますが、それでもどんなに元気な子でも2,3日は食欲が落ちたり、元気がなくなったりします。

また、抜歯後に縫合した子では、1週間はウェットフードを与えてもらっています。ドライフードをふやかしてあげない理由は、ドライフードはふやかすと細かい粒々が傷口に入り込んだりしてしまうことがあるからです。

1週間は痛み止めの内服を、抗生剤は術後2週間処方することが多いです。

だいたい4,5日経過すると徐々に食欲、元気を取り戻してくる子が多いイメージです。

2週間くらい経過すると、縫合した部分はほぼ完全に癒合し、痛みもほぼなくなります。そのころには、ドライフードも問題なく食べれるようになります。

合併症はあるの?気になる費用は?

全身麻酔を無事に乗り切ることができ、なおかつ歯周病の治療が適切に実施されれば、合併症が起こることはほとんどありません。

術後に起きる合併症としては、局所の感染や、縫合部の離開などがメジャーです。

特に重度歯周病等により、歯肉が後退している子では、傷口を閉鎖する際に、歯肉フラップといって穴を閉じるように縫合する必要があります。

その際に、歯肉をできるだけ、テンションがかからないように縫合するのですが、ここの縫合が適切に行われないと、きれいに癒合しません。

ちなみに気になる費用ですが、当院では、術前検査等含めて、7~10万円程度が目安になります。抜歯の本数、縫合の有無等で費用は左右します。

まとめ

・犬の目の下が腫れたら歯が原因かも?

・歯周病が原因で腫れている場合には、抜歯をしないと根治できない

・抗生剤による治療は感染源を取り除いているわけではないので、再発する可能性が高い

・小さい頃から歯磨きをする習慣をつけることで、将来のリスクを減らすことができる!

目の下が腫れている、抜歯が必要と言われたが、麻酔が心配など不安な方はぜひ動物病院に相談してくださいね!

 

 

駅前通り動物病院での歯周病治療の特徴

丁寧でわかりやすい治療説明

犬の歯周病治療には全身麻酔が必要であり、気軽に実施できるものではありません。

そのため、治療前に現状考えられる治療内容、治療経過等をじっくりと話したうえで治療に移ります。

これまでの治療経験等も画像や歯の模型等を使ってわかりやすく説明します。

歯科専用器具を完備

高性能超音波スケーリング、歯科用高速ドリル、歯科用レントゲン、歯科用サージカルルーペ等の最先端、最新の歯科専用器具を取り揃えています。

高倍率ルーペ、歯科用レントゲンを導入している動物病院はまだほとんどありません。

質の高い治療

駅前通り動物病院で犬の歯科治療を2021年に開始してから100頭以上の歯周病治療を行ってきました。

また、常に犬にとってより負担の少ないかつ効果的な治療方法を追求し続けています。

ご家族が納得できる、満足できる治療を提供し続けています。

可能な限り、生涯での麻酔回数を減らせるような治療方法をご提案しています。

治療後のデンタルケアサポート

歯のメンテナンスの仕方を必ずサポートします。

いきなり歯磨きを指導するのではなく、まずは顔周りのマッサージから。

徐々にステップアップできるようにアドバイスしています。

一方通行にならないように必ずご家族との対話を大事にしています。

駅前通り動物病院での歯周病治療の流れ

STEP1 診察(口の中、全身チェック)

歯周病治療では、まずは視診を行い、大まかな口の中の状態を確認します。歯の本数や、生え方、動揺の有無、歯石の付着具合、歯肉の炎症の程度、歯肉ラインなどを確認します。

また、あわせて全身の状態の確認も行います。口の中以外の異常がないかを確認します。

この時点で、大まかな治療の内容、治療後のフォローアップ、費用等のお話を丁寧に説明します。

STEP2 麻酔前検査(当日実施)

全身麻酔をかける前の評価を実施しています。これは当日に実施することが多いです。主に、血液検査、胸部レントゲン検査、エコー検査で心臓や肝臓、腎臓等の主要な臓器機能を評価します。

麻酔前検査で明らかな異常が認められなかった場合は、全身麻酔下での歯科処置を実施します。

STEP3 スケーリング&歯科レントゲン検査

全身麻酔をかけたら、まずは口の中を観察します。その際に、歯周ポケットの深さや、歯の動揺の有無を確認します。その後、スケーリングを行い、歯に付着している歯石を除去します。歯石を除去し終わったら、必要に応じて、歯科用レントゲンを撮影します。

歯科用レントゲンは、歯の評価、歯を支えている歯槽骨の評価のために行います。

STEP4 必要に応じて抜歯等の処置

抜歯適応の歯がある場合には、抜歯を行います。抜歯には、歯肉切開をせずに抜く閉鎖法と歯肉切開を行い抜歯を行う開放法の2つがあります。

歯肉切開をせずに済む場合にはあえて歯肉切開は行っていません。どちの方法をとるかは、歯の状態にもよります。

開放法で抜歯をした場合には、歯肉縫合をします。吸収糸で縫合するため、抜糸の必要はありません。

歯科処置後の管理

歯科処置は、基本的には日帰りになります。麻酔後は鎮痛をしっかり行い、帰宅当日の夜からお水とご飯は食べられる状態でお返しするようにしています。

抜歯本数が多い場合や、全身状態に異常がある場合には1泊2日で実施しています。

処置の内容に応じて、今後のご自宅での歯のケアについてアドバイスをさせて頂きます。

歯周病治療の費用の目安

・麻酔前検査:10,000円~
➡血液検査、胸部レントゲン検査(必要に応じて心臓エコー検査、腹部エコー検査)

・全身麻酔代:10,000円~
➡静脈確保、点滴、抗生剤、鎮痛剤等

・スケーリング代:25,000円~
➡歯石除去、ポリッシング等

・抜歯代:10,000円~
➡本数、部位、歯肉縫合の有無により変動

例)軽度歯肉炎のみの場合(スケーリング、ポリッシングのみ)
➡50,000円前後~

例)中等度歯周病の場合(スケーリング、歯科用レントゲン、軽度の抜歯)
➡70,000円~

例)重度歯周病の場合(スケーリング、歯科用レントゲン、抜歯多数、歯肉縫合)
➡100,000円~150,000円

東大宮、大宮、土呂、上尾エリアで歯科処置を検討されている方、ぜひ当院へご相談くださいませ。

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