【獣医師が執筆】犬の認知症と様々な症状について

東大宮にある駅前通り動物病院では、パピーから老犬まで様々な患者さんの予防・生活指導、病気の治療等を行っています。

ある研究では、8歳以上の犬の10%くらいで程度に差はあれど、認知機能の低下が認められると報告されています。

海外の論文でも以下のように報告されています。

The prevalence of CDS in dogs is extremely high, ranging from 28% in 11- to 12-year-old dogs to 68% in 15- to 16-year-old dogs.

認知症の有病率は、11歳から12歳の犬の28%くらいから、15から16歳の犬では68%にも及ぶ

Neilson JC, Hart BL, Cliff KD, Ruehl WW. Prevalence of behavioral changes associated with age-related cognitive impairment in dogs. JAVMA 2001;218(11):1787-1791.

この認知機能の低下は、加齢に伴って生じる脳の機能障害よりも早くかつ進行性に起きることが特徴です。

そこで今回は犬の認知症(認知機能不全症候群)について解説したいと思います。当院で犬の認知症の症状がある患者さんにまずは試しているサプリメントはアンチノールです!

1日2回2週間まずはアンチノールを試してみて下さい!!サプリメントですので、継続することが大切です!!

目次

犬の認知機能不全症候群とは?

犬の認知症も、世間一般的に言われる「認知症」とほぼ同じ意味と考えてください。認知症というのは、脳の病気や障害などの様々な要因により、脳の認知機能が低下し、日常生活に支障が出る病気です。

この脳の異常として多いのは、アルツハイマー型認知症で、脳神経の変性により、脳が委縮してしまうことで認知機能が低下してしまう進行性の病気です。

犬の認知症の原因も様々ですが、このアルツハイマー型認知症に類似し、進行性かつもとに戻らない変化を生じることで、認知機能が低下してしまう病気です。

犬の認知機能不全症候群の症状は?

当院では犬の認知機能を客観的に評価するためにDISHAAと呼ぼれるツールを用いています。このDISHAAはそれぞれ「見当識障害」、「社会的交流」、「睡眠/覚醒サイクル」、「粗相、学習と記憶力」、「活動性」、「不安」の頭文字をとったもので、以下に解説していきます。

下記18項目の中で少しでも当てはまる症状が4つ以上ある場合には、軽度の認知症の可能性があります
認知症の可能性がある場合には、かかりつけの先生にご相談ください。

見当識障害

犬の見当識障害とは、理解力や判断力が低下することで、なじみの場所や人などを認識する能力が低下してしまう状態です。DISHAAシートで規定されている5つの項目をご確認ください。

☐ 隙間に挟まる、物をよけることができない、ドアの蝶番側を通ろうとする

☐ 壁、床、空中などの何もないところをぼんやり見つめる

☐ 馴染みのある人や動物を認識できない

☐ 家の中や庭で迷子になる

☐ 視覚刺激(光景)や聴覚刺激(音)に対する反応が鈍い

※実際にDISHAAシートで評価する際には、上記の項目の頻度を数値化してスコア化しています。気になる方はぜひ動物病院に相談してくださいね!

社会的交流

人では社会的交流を保つことで認知症の発症リスクが低下すると言われています。そのため、犬でも外に出てゆっくり散歩する、毎日話しかけてあげることは重要です。

☐ 以前よりも来訪者や家族、ほかの動物に対して、イライラしたり、怖がったり、攻撃するようになった

☐ 近づかれたり、挨拶したり、可愛がられたり、撫でられることに対する興味が減った

睡眠/覚醒サイクル

生活・睡眠のリズムが乱れることで昼夜逆転してしまうことがあります。特に夜泣きは、ご家族の睡眠ストレス、近所迷惑等で相談に来られる方は多いです。

☐ 夜間に、ウロウロと歩く(常同歩行)/落ち着きがない/あまり眠らない/目を覚ましている

☐ 夜間に鳴いたり、吠えたりする

粗相、学習と記憶力

これまでできていたことができなくなってしまいます。特にトイレの失敗はよくある困りごとの上位です。また、性格の変化として、頑固になったと感じる場合もあります。

☐ 新しいことを覚えにくい、あるいは、既に習得しているコマンドや名前、作業への反応が鈍い

☐ 家の中のトイレ以外の場所に排尿や排便をする、あるいは外出したいという意思表示が減った

☐ 犬の気を引くことが難しくなった、注意散漫である、集中力が減った

活動性

以前に比べて動きたがらなくなったなどの症状は、老化と判断されてしまうことも。ぐるぐる回るなども多い症状のひとつです。

☐ 探索をしたり、おもちゃや家族、その他の動物と遊ぶ頻度が減った

☐ 無目的な歩行(常同歩行)や徘徊などの活動が増えた

☐ 旋回運動、咀嚼、舐め、ぼんやりと宙を見るといった反復行動を示す

くるくる回る時の対処法に関してはコチラの記事を参考にしてみて下さい!

不安

分離不安ともとれるような症状が出てくることもあります。ご家族の方が近くにいないとずっと鳴いてしまうことも。

☐ 飼い主から離れた際の不安が増えた

☐ 視覚刺激(光景)や聴覚刺激(音)に対して敏感になったり、怖がるようになった

☐ 場所や環境(例:新たな環境、外出など)を怖がることが増えた

犬の認知機能不全症候群かも?と思ったら

上記の項目で当てはまるのがあると思った場合でも、実際には認知症以外の病気が原因のこともあります。そのため、認知症かどうかご自身で判断せずに、一度かかりつけの動物病院にご相談してみてください。

犬の認知機能不全症候群は、進行性で不可逆的です。そのため、少しでも怪しいなと思ったら、早めに相談してみてください。

認知症を治せなくても、進行を遅らせることはできるかもしれません。

そこで次回は犬の認知機能不全症候群に効果があるかもしれないサプリメント等、治療・対処方法について書いていきたいと思います。

当院で犬の認知症を疑ったときにまず試してもらっているサプリメントはアンチノールです。

1日2回2週間まずは試してみて下さい!!

まとめ

・8歳を超えてきたら、犬の認知機能不全症候群を意識してみましょう。最初は些細なことかもしれません。

・犬の認知機能不全症候群は、老化よりも早く進行し、不可逆的な病態です。

・犬の認知機能不全症候群かも?と思ったらまずは動物病院に相談を!獣医師によっては「老化」と言われてしまう可能性もあるので、「認知症の可能性はないですか?」と一言を

老化には抗えません。しかし、少しでも健康で長く生活することは犬と暮らす上で全家族の想いだと思います。犬が認知症かも?と思ったらまずは動物病院に相談してみてください。

駅前通り動物病院では医療機器を完備

血液検査機器

各種血液検査機器を完備しているため、院内で血液検査を実施できます。15分前後で結果がでるため、スムーズに治療に移ることができます。

デジタルレントゲン検査機器

デジタルレントゲンシステムを導入しているため、撮影からデータの描出まで、数分で終わるため、スムーズに治療に移行することができます。

歯科用デジタルレントゲン装置

2022年の秋に新たに歯科用デジタルレントゲンを導入しました。増加する歯周病の治療成績をより向上させるために、また客観的な情報を提供するために役立ちます。

高性能サージカルルーペ

歯周病治療などの際に、徹底的な歯周ポケットの洗浄、歯石除去やより質の高い治療を実現するために2022年10月に導入。

超音波検査機器

超音波検査により、お腹の中の臓器を評価したり、心臓の構造・機能を評価したりすることができます。プローブを当てるだけなので、痛みもなく動物たちのストレスを最小限に検査ができます。

内視鏡装置

犬の場合、内視鏡は全身麻酔をかける必要があります。しかし、お腹を開けることなく、食道、胃の中、十二指腸などを観察することが可能です。また、鼻の中や、喉の奥も観察することが可能です。

歯科用ユニット

3歳以上の犬の70-80%が歯周病と言われています。そのような背景の中、当院では歯周病の治療に力を入れています。より短時間で歯周病治療を実施できるように歯科用ユニットを導入しています。

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