東大宮にある駅前通り動物病院では、日々犬のくしゃみや逆くしゃみの診察を行っています。
逆くしゃみをみたことある方、知っている方はそれほど慌てることもないかもしれませんが、初めて逆くしゃみを見る方にとっては、一大事に見えると思います。
そこで今回は、犬の逆くしゃみについて獣医師の観点から解説していきたいと思います。
ここ最近の傾向としては、頻繁に出る犬の逆くしゃみの原因はアレルギーの関与が多いのではないかと考えています。
犬の逆くしゃみってなに?
犬のくしゃみは急速に鼻から空気を排出する反射ですが、逆くしゃみはその逆で、急速に空気を鼻の中に取り込む反射です。
実際の逆くしゃみの動画はYouTube等で「犬 逆くしゃみ」と検索してみて下さい!!沢山の犬の様々な逆くしゃみをみることができます。
特にチワワちゃんは逆くしゃみが出ることが非常に多いと思います。
犬の逆くしゃみは寝ていて突然始まることもありますし、食事中に起きることもあります。数回で終わることもありますし、数分続くこともあります。
1日に何回も出る場合もありますし、数カ月に1回しか出ないこともあります。
犬の逆くしゃみを初めて見た方が訴える症状は以下のようなものです。
・犬が突然ブーブーと鼻を鳴らしている
・突然フガフガと鳴いている
・急に苦しそうに呼吸をしていたけど、その後は何ともない
などなど
逆くしゃみが出るメカニズム自体は、鼻の奥の鼻咽頭領域の粘膜に対する刺激によって逆くしゃみが出ると言われています。
人では聞いたことがないので、解剖学的な違いが独特な逆くしゃみの症状を発生させているのだと思います。
ちなみに犬の逆くしゃみ単独で呼吸困難になってしまう可能性は極めて低いので、ご安心ください!!
犬の逆くしゃみの原因は?
犬の逆くしゃみは鼻の中、鼻咽頭、喉の奥などに対する様々な刺激が逆くしゃみの発生要因になります。
犬の逆くしゃみの原因には以下のようなものが挙げられます。
・鼻の中の異物(種、食渣、食物など)
・鼻の中のできもの
・鼻炎
・煙など
・アレルギー
・長くて厚い軟口蓋
後ほどまた説明しますが、個人的には「アレルギー」が一番多いのではないかと疑っています。
犬の逆くしゃみの診断は?放置しても大丈夫?

犬の逆くしゃみの診断は、その特徴的な症状です。逆くしゃみと間違えやすい症状として咳があります。そのため、逆くしゃみかも?と思ったら、まずは獣医師に動画を見せるようにして下さいね!!
犬の逆くしゃみの原因は様々なため、一概に気にしなくても大丈夫ですとは言えませんが、大事なポイントを載せておきますね!
個人的には、月に数回の逆くしゃみであれば無治療で経過観察していることが多いです。
また、逆くしゃみ自体は特に何もしなくても数分待てば自然に止まることがほとんどなので、見守ってあげて下さい!
自分のチワワくんが逆くしゃみしたときに鼻の穴をふさいでみたことがありますが、一応止まりましたが、本人すごく驚いていたので、あえて止めなくてもいいのかなと思いました。
・逆くしゃみ以外の症状がないか?
➡鼻水、くしゃみ、鼻づまり、鼻血などの症状もある場合には鼻炎の可能性も
・草むらなどで散歩をした後に突然逆くしゃみが出始めた
➡植物、種などが鼻の中に混入した可能性も
・吐いた後に逆くしゃみが出始めた
➡吐物や胃酸が鼻の中に逆流した可能性も
・逆くしゃみ以外は健康的だが、逆くしゃみが毎日、頻繁に何回も出る
➡アレルギーが関与しているかも
逆くしゃみの治療法は?
逆くしゃみ以外は健康状態に何も問題がないにもかかわらず、逆くしゃみが毎日、頻繫に出る、何回も出る、逆くしゃみをしている時間が長い場合には、アレルギーが関与している可能性もあります。
そのため、私の場合、診察等で逆くしゃみを起こしうる原因を鑑別した上でアレルギーが疑われる場合には、試験的に抗ヒスタミン薬を2週間くらい処方しています。
アレルギーというと、ステロイド薬などの強い抗アレルギー薬を思い浮かべるかもしれませんが、アレルギー?による逆くしゃみの場合、ほとんどの子が抗ヒスタミン薬単独で改善します。
私が獣医学生だった5年くらい前は、犬の逆くしゃみは生理的なものが多いと習った記憶がありますが、ここ2年くらい頻繁に出る逆くしゃみに対しては抗ヒスタミン薬がかなり効く印象があります。
もちろんアレルギー検査をしたわけではないため、何のアレルギーかなど詳しいことは言えませんが、環境中のアレルギーの関与を疑っています。
逆くしゃみと言われたけど、様子見でいいと言われた!という方や逆くしゃみを止めてあげたい!という方がいましたらぜひ抗ヒスタミン薬の投薬を考えてみて下さいね!!
まとめ
・健康的な犬の逆くしゃみの原因はアレルギーかも?
・毎日頻繁に何回も逆くしゃみが出る場合にはアレルギーの可能性も
・逆くしゃみかも?と思ったら動画を撮って動物病院に相談を!
駅前通り動物病院では医療機器を完備
血液検査機器
各種血液検査機器を完備しているため、院内で血液検査を実施できます。15分前後で結果がでるため、スムーズに治療に移ることができます。

デジタルレントゲン検査機器
デジタルレントゲンシステムを導入しているため、撮影からデータの描出まで、数分で終わるため、スムーズに治療に移行することができます。

歯科用デジタルレントゲン装置
2022年の秋に新たに歯科用デジタルレントゲンを導入しました。増加する歯周病の治療成績をより向上させるために、また客観的な情報を提供するために役立ちます。

高性能サージカルルーペ
歯周病治療などの際に、徹底的な歯周ポケットの洗浄、歯石除去やより質の高い治療を実現するために2022年10月に導入。

超音波検査機器
超音波検査により、お腹の中の臓器を評価したり、心臓の構造・機能を評価したりすることができます。プローブを当てるだけなので、痛みもなく動物たちのストレスを最小限に検査ができます。

内視鏡装置
犬の場合、内視鏡は全身麻酔をかける必要があります。しかし、お腹を開けることなく、食道、胃の中、十二指腸などを観察することが可能です。また、鼻の中や、喉の奥も観察することが可能です。

歯科用ユニット
3歳以上の犬の70-80%が歯周病と言われています。そのような背景の中、当院では歯周病の治療に力を入れています。より短時間で歯周病治療を実施できるように歯科用ユニットを導入しています。

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