犬が痒がったときに、ネットサーフィンをすると必ず「食物アレルギーかも?」と出てくると思います。臨床的なお話をすると真の食物アレルギーはそんなに多く存在しません。
アトピー性皮膚炎で食物アレルギーを併発している子はいますが、食物アレルギー単体のケースは少ないと思ってください。
そこで今回は、実際には少ない?真の食物アレルギーと診断した症例のお話をしたいと思います。
食物アレルギーとはなにか
食物アレルギーとは、摂取した食物が原因となり、免疫学的機序を介して、皮膚症状や消化器症状が出現することを指します。
主な皮膚症状としては、皮膚炎がありますが、あくまでかゆみが先行することが重要です。
つまり、かゆみが症状としてあることが大前提になります。
犬のかゆみとはどのような症状なのか
かゆみがあると犬はどのような動作を取るでしょうか?
以下に、アレルギー性のかゆみがある場合の犬の動作を列挙します。
・口の周囲を引っ掻く
・口回り、目の周りを壁、床にこすりつける
・耳をしきりに引っ掻く
・手足の肉球の間をよくなめる
・肛門の周囲をなめる
上記に挙げたものが、主な犬のかゆみ動作です。あてはまるものがないか確認してみてくださいね!
食物アレルギーの診断の実際の流れ
参考までに犬の食物アレルギーの4つの臨床兆候をのせておきますね!
・皮膚炎が顔面、背中、肛門周囲、手足の指の間にみられる
・1歳未満で発症
・季節性がない
・1日の排便回数が3回以上
個人的な見解ですが、上記の中でも特に1歳未満で発症、かゆみを伴う皮膚炎が顔周りにあるということが食物アレルギーを疑う所見です。
食事中のなにがアレルギー物質なのかを特定するにはアレルギー検査が有用です。これは血液検査で特定することができます。
今回は、アレルギー検査は実施しませんでしたが、ステロイドの短期的な投与と食事の変更でかゆみが落ち着いた症例の流れをご紹介します。
目の周り、口周りを特に痒がり、皮膚が黒くなっていました。1週間くらい前から痒みが出てきて、その症状が悪化しているとのことでした。
この子は、生肉や野菜などを混ぜたご飯を与えているとのことでした。この時点でその肉がアレルギーの原因としてあやしいと判断しました。
食物アレルギーによる皮膚症状は、食事を切り替えてもすぐには落ち着きません。そのため、2週間ほど、支持治療としてアレルギーを抑える、痒みを軽減させるためにステロイドの内服を処方しました。
食事は、魚系のドライフードと野菜などを混ぜたご飯に切り替えてもらいました。
2週間後には、痒みも落ち着き、皮膚炎も収まっていました。
ここまで、典型的な食物アレルギーの子は正直初めての経験でした。
食物アレルギーを疑う時の食事の考え方
食事を大きく3つのカテゴリーに分けて考えます。
・肉類(牛、鶏、豚、牛乳、卵など)
・植物(ジャガイモ、とうもろこしなど)
・魚類(サーモン、白身魚など)
今回の症例では、生肉や野菜などを食べているとのことでしたので、肉類以外を与えてもらうことにしました。
詳しくは病院でお話しますが、アレルギーは非常に奥が深く、難しい分野です。そのため、臨床的に応用する際には、このようにざっくりと食物をカテゴリー化して治療に応用することあります。
まとめ
・犬の真の食物アレルギーは意外に少ない
・1歳未満の子で、顔周りの痒みを伴う皮膚炎がある場合には食物アレルギーの可能性が高い
・食物アレルギーかも?と思ったら食事を肉類・植物・魚類の3つのどれに該当するか確認し、変更してみる
子犬と生活し始めてすぐに痒みを伴う皮膚炎がある場合や食物アレルギーかも?と不安がある方はぜひ動物病院に相談してくださいね!






コメント