動物病院では、年間10件くらい膀胱結石の手術をしています。そこで、今回は犬と猫の膀胱結石の見た目とその成分について実際の画像をみていきたいと思います。
膀胱結石の色や形はそれぞれであり、私自身手術前に予想をして臨みますが、イメージと違うことも多々あります。
この際に、ぜひ興味を持って頂ければ幸いです。
犬と猫の膀胱結石の手術の難易度・リスクについては以下の記事を参考にして下さいね!!
犬と猫の膀胱結石たち









シュウ酸カルシウム
右の膀胱結石は、猫のシュウ酸カルシウムでした。
血尿、頻尿が主訴の猫ちゃんで、この子の場合、膀胱結石以外に腎臓にも小さな結石がありました。
このような場合、膀胱で結石ができるよりも腎臓でできた結石が膀胱に落ちてくるパターンもあります。


左の膀胱結石は犬のシュウ酸カルシウムでした。
この子の場合、1年ほど前に一度血尿があったとのことでしたが、その後は一切症状がなかったとのこと。
表面がツルツルしていて丸い結石の場合、無症状のこともあります。
右の膀胱結石は猫のシュウ酸カルシウムでした。
この子の場合、過去にシュウ酸カルシウム結石による膀胱炎症状があり、一度手術歴がありました。
腎臓にも結石がある子でしたので、体質も大きく関係していると考えられます。
シュウ酸カルシウム結石は手術後も3年以内に50%が再発すると言われています。


左の膀胱結石は犬のシュウ酸カルシウムでした。
細かい丸い結石が時間経過とともにくっついて大きめの結石になったのではないかと思います。
血尿が主訴の膀胱結石でした。
右の膀胱結石は犬のシュウ酸カルシウムでした。
この子は、尿が出にくいという主訴で来院されました。尿道閉塞を起こしていたため、カテーテルで膀胱内に押し戻し、膀胱切開で摘出しました。
男の子場合尿道が細く、長いため、小さい結石が尿道内に詰まるリスクが高いです。

ストラバイト(リン酸アンモマグネシウム)
右の膀胱結石は犬のストラバイトでした。
頻尿を主訴に来院されました。お話を聞くと以前から頻尿があったとのことでしたので、細菌性膀胱炎から結石になったのではないかと考えられます。
結石は結晶からできますので、早い段階なら内科的に溶かすこともできるかもしれませんので、お早めにご相談を!


左の膀胱結石は犬のストラバイトでした。
経過が長く、重度の膀胱炎症状がありました。膀胱粘膜も炎症のため、通常の膀胱の3倍くらいの厚みがありました。
術後も尿を溜める機能が戻るまでに2週間~くらいかかりました。
右の膀胱結石は猫のストラバイトでした。
血尿、頻尿で来院されました。小さな結石一つでも膀胱粘膜に食い込むように存在すると血尿が出ることはよくあります。
見た目はシュウ酸カルシウムかと思いましたが、ストラバイトでした。


左の膀胱結石は犬のストラバイトでした。
大きさが4~5cmほどあり、私が摘出した結石の中では1番大きかったです。
この子も、細菌性膀胱炎を併発していました。
まとめ
・膀胱結石は色も形も様々
・膀胱結石は膀胱粘膜をチクチク刺激するため、膀胱炎症状が出る
・摘出して終わりではなく、再発予防が重要
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