【獣医師が執筆】アンチノールは肝臓に悪い?

東大宮にある駅前通り動物病院では、日々犬のご家族から様々なサプリメントについて質問を受けています。病院としては、無数のサプリメントのうち、臨床的に効果があるものを厳選してご紹介しています。

アンチノールプラス®(旧アンチノール)はよく当院でご紹介しているサプリメントのひとつです。特に犬の認知症を疑う時には試す価値ありです。

アンチノールプラス®(旧アンチノール)を使うことが多い症状については以下を参考にしてみて下さい。

また、たくさんの方にこの記事を読んで頂いていますので、飲ませている理由についても教えて下さい!

アンチノールを与えている理由はなんですか?

  • 関節疾患のため(膝蓋骨脱臼など) (33%, 2 Votes)
  • 皮膚疾患のため(皮膚炎・毛が薄いなど) (33%, 2 Votes)
  • 老化予防のため (17%, 1 Votes)
  • その他 (17%, 1 Votes)
  • 脳血管疾患のため(認知症など) (0%, 0 Votes)

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サプリメントとはいってもそれだけ効果があれば、副作用も気になるかと思います。

そこで、今回はネットで調べると上位に出てくる「アンチノール 肝臓に悪い」というキーワードについて解説していきます。

インターネットで犬のサプリメントやフードを検索する際の注意事項として、オリジナルな見解が入っているかどうかに注目してみて下さい!!無難な表現、あいまいな表現のキーワードにご注意を!!

目次

そもそも「犬の肝臓に悪い」とは?

動物病院で日々診療をしていると、「他の病院で肝臓が悪いと言われた」とお話しされる犬のご家族に出会うことが多々あります。

詳しく話を聞いてみると、ほとんどの犬が「肝酵素が高い」だけで肝臓の機能は正常なことが多いです。

みなさん肝臓が悪いと言われると食生活の心配やサプリメント、薬などどうしようと迷われる方が多いです。

そのような方々には「肝酵素が高い≠肝臓が悪い」ですと、必ず何度も説明するようにしています。

肝臓に関する血液検査の評価の仕方、肝臓の機能と肝酵素の関連性については以下の記事で詳しく説明していますので、ぜひ一読ください!!

アンチノールは肝臓に悪い?

アンチノールプラス®(旧アンチノール)が肝臓に悪いと言われる原因は不明ですが、おそらく主要成分の脂肪酸が脂肪に置き換えられて、肝臓に負担がかかると心配された方がいたのではないかと思います。

結論から申し上げますと「アンチノールプラス®(旧アンチノール)は肝臓には悪くない」と考えています。

理論上はアンチノールプラス®(旧アンチノール)の服用によって肝酵素の上昇が認められる可能性はあります。しかし、これはすべての薬、サプリメントに共通して言えることです。

私がアンチノールプラス®(旧アンチノール)が肝臓に悪くないと考える主な理由としてですが、当院でアンチノールを長期服用している患者さんで血液検査を定期的に実施していても、肝酵素の上昇や、肝機能の低下が認められたことはありません。

また、症例報告レベルですが、脂質代謝異常等にアンチノールプラス®(旧アンチノール)を併用することで改善が認められたという報告もありますので、「アンチノールは脂肪酸だから、肝臓に負担がかかる」ということはないので、ご安心ください。

アンチノールは肝臓が悪い子にもあげて平気?

アンチノールが肝臓を悪くする可能性は低いとお伝えしましたが、肝臓が悪い子には与えても平気なのか?不安な方もいると思います。

そこで、今回は2つのパターンに分けて解説していきます。

肝酵素が高い犬にアンチノールを与える場合

犬の肝酵素上昇の原因は様々です。

血液検査で肝酵素が高い場合には、まずはその原因を追究するようにしましょう。

具体的には、肝機能検査(血液検査)や腹部レントゲン検査、腹部エコー検査を実施し、肝酵素が上昇する原因を調べます。

各種検査で、肝酵素が上昇する要因がない場合は、犬にアンチノールを与えても問題ないと考えられます。

肝臓以外の症状に対してアンチノールを与えるケース、肝酵素の上昇に対してアンチノールを与えてみるケースがあると思いますが、いずれのパターンでもアンチノールを開始してから、1カ月くらいで再度血液検査をすることをおすすめします。

肝機能が低下している犬にアンチノールを与える場合

犬の肝機能低下は後天性よりも先天性の方が多いように感じますが、犬にも人と同じように肝硬変になります。

このような肝機能が低下している犬にアンチノールを使用する際には注意が必要です。肝臓の機能のひとつに「解毒作用」があります。しかし、肝機能が低下している状態である種の成分を過剰摂取すると正常であれば、解毒できるものも解毒できない可能性もあります。

犬の肝機能低下に対する根本的な治療は、現状ありません。そのため、犬の肝機能低下では肝臓の負担を減らしてあげるような薬や毒素を排出しやすくする薬を使用します。

そのため、肝機能が低下している犬にアンチノールを与える際には注意が必要です。まずは、肝機能の低下の原因を追究し、肝機能低下の治療を優先してください。

現状、肝機能低下に対してアンチノールが効果があることは実証されていないので、もし別の症状でアンチノールを与えたいという場合には、必ず獣医師に相談するようにしてくださいね!

肝酵素が高いと言われた時のフード、食事に関しての考え方はこちらの記事を参考にしてみて下さいね!

まとめ

・アンチノールで肝臓が悪くなる可能性は低いが、肝酵素が上昇する可能性はある。そのため、定期的な血液検査をおすすめします!

肝酵素が上昇している犬、肝機能が低下している犬にアンチノールを与える場合には必ず獣医師に相談してくださいね!

アンチノールを与えることで、肝臓が悪くなることはまれなので、気になる症状に対してぜひ有効活用を!

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